2012年10月26日金曜日

植物を使った壁作品(4-17)

壁面空間にいけばなを構成する、というテーマです。
壁面を、いけばなを飾る場として考えてみる、というものです。

壁面で生の花材を使用する場合は、水をどのように与えるかということも
合せて考える必要があります。
作品の構成の中で、生の植物が枯れないように水を与えます。
ピックを使う方法でも、大きな入れ物を使って水を与える方法でも、
水の部分が作品に溶け込むよう構成します。

さて、Nさんの作品です。

花材は、「のばら」「さんごみずき」「アンスリウム」です。


           ◆正面から


さんごみずき、アンスリウムの線の動きがきれいです。
大きなキャンパスに、伸びやかな線が描かれているようです。

  ・・・フレームが邪魔ですね。
  ハンガーラックを代用しました。・・・ごめんなさい。


           ◆やや右から







           ◆やや左から




           ◆のばら(野茨)[バラ科]


日本全土の川原や林のふちなどに育つそうです。
かたい枝の部分は撓めが利かないので、自然の曲がりをいかします。

実のものなので、短い期間であれば水から出した構成もできます。


           ◆さんごみずき(珊瑚水木)[ミズキ科]


冬の冷気にさらされると、木肌の赤色のあでやかさが増すそうです。
今回の花材は、まだほんのり赤みがかっている程度です。
クリスマスの作品をいける頃には、さぞあでやかになっていることでしょう。

短い期間であれば、水から出した構成が可能です。


           ◆アンスリウム[サトイモ科]

ハート形の部分は苞です。
光沢があり鮮やかなので目を引きます。
花は棒の部分です。地味ですね・・・。
この部分をどこに向けるかによって、作品の印象が変わります。

必ず水を与えないとなりません。




2012年10月21日日曜日

分解して再構成する(4-9)

植物はさまざまな要素をもっています。
枝や茎の部分、花や実の部分、葉の部分・・・。
枝や茎も太い部分、細い部分、枝分かれしている部分と、よく見ると違いがあります。
花も、咲ききっている部分とつぼみの部分を一枝につけていることもあります。

手にした花材をよく観察します。
その花材がもつ要素を見きわめて分解します。
分解したことによって、見え方が変わり発見できることもあるでしょう。
その発見を大切にして、いけばなの作品として再構成します。

さて、Sさんの作品です。

花材は「ふうせんとうわた」「あかなす」です。


        ◆正面から


それぞれを茎と実に分解し、横長の花器に合せて構成しています。

実を外して身軽になった二色の茎を、伸びやかに構成しています。

実を一ヵ所に集めることによって、色の効果が大きくあらわれています。
また実が集まることで、もこもこと沸き上がってくるような印象があります。



           ◆やや左から
          



           ◆やや右から



           ◆ふうせんとうわた(風船唐綿)[ガガイモ科]



やわらかい明るい緑の茎に、風船のような実をつけています。
色からも、空気が入っているような実も、軽やかな印象です。
日本には江戸時代の末に入ってきたそうです。


           ◆あかなす(赤茄子)[ナス科]




やわらかいこげ茶の茎に、ミニトマトのような赤い実をつけます。
ところどころ、塊になって実をつけます。

茎は撓めはききませんが、曲がりがあったり枝分かれをしている部分もあります。
実を落とすことで表れてくる線や、
枝の分け方で取り出せる線もあるでしょう。



他に「ゆきやなぎ」と「とるこききょう」を用意していました。
Sさんは、今回の作品には使わないことを選択しました。

             ◆ゆきやなぎ(雪柳)[バラ科]


             ◆トルコききょう[リンドウ科]



        ◆花器(陶器)

幅53.5cm、高さ6cm、幅7cmです。

2012年10月16日火曜日

横浜オクトーバーフェスト2012へ行ってきました!



みなとみらい線「馬車道駅」下車、歩くこと10分弱かなぁ…地上に出るまで結構かかります。
見えてきましたぁ、楽しそ〜な賑わいが!

本日最終日の10月14日
すでに19時です。

  高津区民祭のいけばな部門に作品を
  出品していたのですが、
  その片付けが17時からだったので、
  到着がすっかり遅くなってしまいました(><)


                  出品作品です▷
 









入口で200円を支払うと、会場案内とリストバンドを渡されます。



先に到着していたメンバーが、スゴークがんばってくださいまして、
ステージ前(オレンジの●シール)に席を取っていました!




さぁ何をのもうかなぁ(^^)
いろいろあるから迷ってしまう。
というか・・・ぜ〜んぶ飲みたいくらいです。






          
 迷いにマヨって一杯目は・・・、              こちらぁ☞                                            色が濃いので苦そうに見えますが、    以外とマイルドで軽い味わい。      おいしかったです。
                      二杯目もそうとう迷いました。                              ☜こちらぁ                                       こっくりとおいしいです。
一口ひとくち味わっていただきました。

やっぱりおいしいです〜ぅ。                             


19時半から、目の前のステージで生演奏が始りました。
ドイツから来日している「W0H0&KALENDAR BAND」によるステージです。
         

進行を担当していたお姉さんです。
登場の度にお名前をコールされてました。
たくさんのファンがいらっしゃるようでしたが、
・・・お名前をド忘れしてしまいました。ごめんなさい(××)



サービス精神旺盛なステージで、み〜んな歌ったり踊ったり
楽し〜い!





なんどもアンコールがありました。
最後はこの方の「一期一会」の言葉で終了しました。

夜景も素敵!
観覧車、大桟橋、船・・・。



楽しかったぁ。



おまけ〜!

赤煉瓦の下からのライト☆あやしい光を放っています。
気がついたらM子がなりきってましたよ〜。
けっこう怖い…(^^;)

載せてもいいよっ!
っていってくれたので追加しました。

2012年10月8日月曜日

器と床面を意識して構成する(4-16)



器を置いている床面を意識して作品を構成する、というテーマです。
床面に対して緊張感のある作品を構成します。
さて、Nさんの作品です。

花材は「ぼけ」「シンフォリカルポス」「カラー」です。
右前面に大きく張り出しているぼけが、床面に対して緊張感を作り出しています。
ぼけは床面を意識して、丁寧に撓めています。
カラーも視線を床面に誘うよう配置されています。

        ◆正面から

シンフォリカルポスの枝の線と器に描かれている線に一体感がありますね〜。
偶然の産物?!
器の線は、3.11で割れた花器を金接ぎしたものです。
・・・金接ぎ以外にも線を描き足していますが(^^;)

        

        ◆やや右から

           ◆やや上から



           ◆ぼけ(木瓜)[バラ科]

春だけではなく、秋や冬に花をつけるものもあります。

丸いつぼみは愛らしく、開くと華やかです。

枝は撓めがよく利きます。
鋭いトゲをつけている場合もありますので、注意しながら行いましょう。


           ◆シンフォリカルポス/
           セッコウボク(雪晃木)[スイカズラ科] 


夏に白い花をつけますが、花材としては実の時期に出回ります。
細い枝の先端に、白く小さな実が房になってつきます。
葉を整理して、いきいきとした線をひきだしましょう。
実が重すぎる場合も整理します。


           ◆カラー[サトイモ科]


花びらに見えている部分は、仏炎苞と呼ばれる花を抱く葉です。
花は、中の棒状の部分です。
アンスリウムと同じですね!    ◆アンスリウム[サトイモ科]
          


白、黄、オレンジ、紫、ピンク・・・色もサイズも多数あります。
今回はそれほど大きくないサイズで、白の仏炎苞で中の奥が濃い紫のものです。


           ◆花器(陶器)


幅約40cm、高さ約13cm、奥行は約10cm、
大きさの異なる丸い穴が7ヵ所あいています。




2012年10月6日土曜日

つるもの(4-6)

つる性の植物をいかした構成をします。
いけばなではつる性の植物を「つるもの」といいます。
ゴツゴツとした太い部分、くるくるとバネのように巻いている部分・・・、
つるものならではの線のおもしろさを最大限に引き出して構成します。

さて、Sさんの作品です。

花材は「あけび」「ネリネ」です。

あけびのつるにはコブがあり、独特の風情です。
つるはやわらかく、細い部分は自在に撓める事ができます。

大きめの花器を選択し、ゆったりとした構成をしています。
ゴツゴツしたつるの太い部分を力強く前に出しています。

葉がわずかに数枚付いていましたが、作品に軽やかさを出してくれています。


        ◆正面から


        ◆左から


           ◆右から


右から見た角度のつるの動きもおもしろかったので、
ネリネの位置を変えて、こちらを正面としてみました。(^^)




           ◆あけび(木通)[アケビ科]




つるがやわらかく大きく実った実は重いため、枝が枝垂れます。
作品を構成するには、実の整理も重要になります。

幼い頃、曾祖父が山芋を掘りによく山に行っていました。
私は一緒に持ち帰ってくれるあけびが楽しみで、
家の外に出て曾祖父の帰宅を待っていました。
ほんのり甘くやさしい味は曾祖父の穏やかな笑顔と重なります。

今回の実もよく稔って割れ、おいしそうな実が見えています。(^^)


           ◆ネリネ[ヒガンバナ科]





花びらが反返り長く伸びた雄しべが目立ちます。
透明感のあるピンク色はとても鮮やかです。
一輪の花は小さいですが、まとまって放射状に咲く姿は華やかさがあります。


             花器(ガラス)


高さ約35cm、直径約15cm
少し薄手ですので、器に無理のかかる構成は避けます。
水はたっぷり入るので、安定感はあります。


2012年10月2日火曜日

上からの目線を意識する(4-15)


目線より低い位置に作品を飾ることを想定します。
上から下をを見る目線を意識して作品を構成します。

日頃、花を飾る場を限定してしまいがちですが、
テーブルの下も作品を飾る空間として可能性があります。

さて、Nさんの作品です。

花材は「ふうせんとうわた」「こうりやなぎ」「とうがらし」「ばら」です。


上から見ると、こおりやなぎの立ち昇る勢いが迫ってきます。
正面からでは感じることのできない印象です。



          ◆正面上から

          ◆正面から


          ◆左から

          ◆やや左上から

          ◆右から



          ◆ふうせんとうわた(風船唐綿)[ガガイモ科]

果実が風船のように膨らんでいることからこの名前がついたようです。
中には綿毛が付いた種が入っています。
熟すと皮が割れと綿毛がふわふわ飛び出します。


          ◆こうりやなぎ(行李柳)[ヤナギ科]

細くまっすぐ上に伸びて生長します。
先端はさらに細いです。
自由に撓めることができますので、繊細な表現が可能です。


          ◆とうがらし(唐辛子)[ナス科]

唐辛子=香辛料、とまず浮かびます。
つややかな実をつける唐辛子は、鮮やかな色を楽しむ観賞用のものも多数あります。
丸い実をつけるもの、円錐形の実をつけるもの、
緑、赤、オレンジ、紫、黄など色もさまざまです。
今回のものは、丸い実で緑と赤の色が濃いものですね。


          ◆ばら(薔薇)[バラ科]

スプレー咲きのものです。
落ち着いたやさしい印象のピンクです。
大き過ぎない葉がたっぷりついています。
しっかりと葉を整理して、いっそうきれいに見えるようにします。

       
             ◆花器(陶器)


この写真では、高さ、横幅ともに約25cm、奥行は20cm弱です。
作品は90度回して使用しています。