2013年1月27日日曜日

自由花(桜、エリカ、チューリップ)

Nさんの作品です。
テキストを終えて2回目の自由花です。

今回は、今まで一度も使ったことの無い花器でいけてみることにしました。
大きなガラスの花器を選びました。

花材は「さくら」「エリカ」「チューリップ」です。
花器の鮮やかなブルーが、花材のピンクの濃淡を引き立てます。

        ◆正面から

        ◆左から


        ◆右から



             ◆さくら(桜)[バラ科]

今回も「啓翁桜」です。
咲いている花は数輪ですが、膨らんでいるつぼみに力があります。


             ◆エリカ[ツツジ科]


小さな花がかたまりになって咲きます。
紫に近い紅色も魅力です。

この枝を手にすると、
この色のかたまりを作品のどこに配置しようか・・・と
思わず考えてしまいます。


             ◆チューリップ[ユリ科]

ピンクのチューリップで花の外側が黄みを帯びています。
葉の形も含め、なんとも初々しい印象です。

楽しさが伝わる作品になるといいなぁ、って思いました。


             ◆花器(ガラス製)

高さ33cm、幅24cm、口径は・・・測り忘れてました(−−;)


2013年1月24日木曜日

枯れもの・漂白花材・着色花材(4-13)

枯れもの▷植物を乾燥させた花材
漂白花材▷枯れものを漂白した花材
着色花材▷色を塗った花材

上記の花材を使用して作品を構成します。

既に乾燥していますので、水を必要としません。
必ずしも花器(水)から出発しなくてもよいということになりますので、
生の植物を使用する作品に比べ、軽やかな展開が可能になります。

このテーマでは上記の花材のみで構成してもよいですし、
生の植物を組み合わせてもよいとなっています。
・・・生の植物は水からの出発となります。

さて、Sさんの作品です。

花材は、「みつまた」「アルストロメリア」です。
漂白花材と生の植物を組み合わせました。

選択した花器は、3.11で割れてしまい金接ぎしたものです。
破片を接いだ金の線が、みつまたの細い枝の線と呼応し、
「おもしろい」を引き出しています。


           ◆正面から


バックが白なので、みつまたの線がちょっと見難い・・・(−−;)

           ◆左から


           ◆右から


         ◆みつまた(三椏)[ジンチョウゲ科]/漂白花材


3本に枝分かれして成長することから、「みつまた」と命名されています。
皮を剥いで漂白してあります。
しばらく水に浸けるとやわらかくなりますので、撓めることもできます。

今回は細い部分をしばらく水に浸し、撓めて広げています。


            ◆アルストロメリア[ヒガンバナ科]


鮮やかな牡丹のような色です。
華やかな印象です。

1本に5〜6輪の花が咲いています。
必要な花以外は枝分かれしているところで外し、
分けて使用しています。
1輪1輪の花の表情を大切にいけています。


          ◆ストレリチア(葉)[バショウ科]/枯れもの


ストレリチアの葉を乾燥させたものです。
乾燥することで葉が丸まりうねりが生まれます。
それぞれに表情があり、とてもおもしろいです。

今回は、使用しないことを選択しました。


           ◆花器(陶器)

幅約40cm、奥行約10cm、高さ約12cm
穴は裏に4つあり、全部で7つです。

2013年1月20日日曜日

自由花(ぼけ、れんぎょうと)

昨年末にテキストのカリキュラムを終えた、
Nさんの作品です。

枝ものは、春の訪れを告げる「れんぎょう」、
おもしろい動きをしている「ぼけ」、「メラレウカ」
「グロリオサ」「トルコキキョウ」です。

壺型の花器に、春の芽吹きのように伸びやかにまとめています。


        ◆正面から



        ◆左から


        ◆右から



             ◆ぼけ(木瓜)[バラ科]

 中国原産だそうです。
薬用植物として平安時代に渡来し、江戸時代には観賞用に広く栽培され、
さまざまな園芸品種が生み出されています。
一重、八重、半八重の花形、約200種の園芸品種が知られています。


             ◆れんぎょう(連翹)[モクセイ科]

「れんぎょう」「まんさく」「さんしゅゆ」・・・
早春に、いち早く花をつける花木。
花の色はみぃんな黄色です。

             ◆メラレウカ[フトモモ科]

きんぽうじゅ(ブラシの木)、ワックスフラワーなどと同じ
[フトモモ科]の植物です。
葉は見た印象(きんぽうじゅと同じ!?)と異なり、やわらかです。
先端部の赤がとても鮮やかできれいです。


             ◆グロリオサ[ユリ科]

形状から蝶が飛んでいるような印象です。
鮮やかな赤、一輪でもインパクトのある花材です。
            
葉はすでに整理していますが、先端が巻きひげのようになっていて
茎や葉に絡んでいきます。

             ◆トルコききょう[りんどう科]

原産地は北アメリカです。
日本には昭和初期に導入されたそうです。
「トルコききょう」と命名されたのは、
花の形状が桔梗に似ていたこと、
青紫の色がトルコ石や地中海を連想させたことからだそうです。


             ◆スイートピー[マメ科]


やさしいピンク色をしています。
とても愛らしいのですが、今回は他の花材との組み合わせから
使用しませんでした。

             
             ◆花器(陶器)

花器の直径約19cm、口径約11cm、高さ約22cmです。

2013年1月15日火曜日

水を意識する(4-12)


「水」を作品を構成する要素として意識します。

・・・もっと押しすすめて、水を主役に作品を構成します。
水を見せる作品を目指しましょう。

さて、Sさんの作品です。

花材は「さくら」「ゆきやなぎ」「デルフィニウム」
「スイートピー」『ミリオクラダス」です。

年が明けたトタン、花材は一気にです!

正面から水が見える、透明な器を選択しました。
水中の桜の太い幹と、スイートピーとデルフィニウムの細い茎の配置を意識しています。
それ以外の茎や枝は見えない位置に挿しています。


        ◆正面から


        ◆左から

        ◆右から

   
           ◆さくら(桜)[バラ科]

今回のものは「けいおうざくら/啓翁桜」です。
(しなみざくら/支那実桜)に(ひがんざくら/彼岸桜)を接ぎ木したものの
枝変わりでできた園芸品種だそうです。

日本人にとって、古代より桜はもっとも身近な「花」です。
桜が咲く時期が、お米の種もみを蒔く時期。
古代の人々は桜の「咲き具合」から秋の稔りを占いました。

民俗学では、
「さ」は穀霊の意、「くら」は坐すところ。
「さくら」は『穀霊の依代』です。


             ◆ゆきやなぎ(雪柳)[バラ科]

小さな花が咲くと、枝に雪が降り積もったように見えます。
やさしい印象です。

今回の作品には、最後に少しだけ加えました。
すると、作品全体がやさしく可憐な印象に変化しました。


             ◆スイートピー[マメ科]

鮮やかな黄色で、一輪一輪が見慣れているものより大きく感じました。
いけていると、水が黄色く濁ってきました・・・。
この黄色はインクを吸わせて色付けしているのですね。


             ◆デルフィニウム[キンポウゲ科]


濃いブルーから水色、紫とブルー系のバリエーションが多数あります。
今回のものは、うす〜い水色で繊細な感じがします。


             ◆ミリオクラダス[ユリ科]

アスパラガスの仲間です。
松葉のような葉が緑のかたまりになっていて、ポワンと可愛らしい印象です。
枝分かれしているところに、鋭いトゲが隠れています。
要注意です。

           ◆花器(ガラス器)

幅24cm、高さ23cm、挿し口の幅17、奥行6cm
右上から左下にラインがあり、中が屈折します。