2021年11月23日火曜日

第11回研究会/自分で選ばない花器でいける

今回のテーマは「自分で選ばない花器でいける」です。

いつもは花材から花器を選んでいけていますが、今回は花器も自分で選ぶことができません。

花材と花器の偶然の出会いを、必然に変えるのはいけ手です。

自分で選ばない花器と対峙することで、新しい自分を発見する機会になればと、このテーマを選択しました。

規定時間内に、自由花と一種いけの2作を一気にいけました。

自由花の花器は、参加者が花材を見て花器を選び、一斉に隣の席に移動する形をとりました。一種いけは私が、各々普段あまり使っていないなぁと思う花器を選びました。

花材は、自由花はお花屋さんが組んだ花材、一種いけは「石化えにしだ」です。

 

スタートと同時に緊張感ある空気に包まれました。

 


 



 
 
***SKさんの作品です。
 
自由花の花材は「ローゼル、はらん、カーネーション」です。
口の狭い投入花器ですが、左右の広がりが伸びやかです。
ローゼルの曲線からハランの茎の輪、カーネーションへと、リズムよくつながっていますね。
 
中が透けて見えるガラス花器です。
上下入り乱れたエニシダに勢いがあります。
花器の中も一体化、バサッと無造作な表情がいいですね(^^) 

 
 
 
***YMさんの作品です。
 
自由花の花材は「べにきりつつじ、うめもどき、きんぎょそう」です。
矯めの利かないベニキリツツジですが、枝振りをうまくいかして中心を外して立ち上げたのが良かったです。
口元もきれいにまとめていますね。
 
大きな四角い鉄花器、奥行がありません。
花器の平面に石化エニシダの立ちならぶ構成、花器の持ち味をうまく作品にいかしています。石化部分の表情がおもしろいですね(^^)
 

 
 
 
***YAさんの作品です。
 
自由花の花材は「ミリオンバンブー、ニューサイラン、グズマニア」です。
ぐるっと曲がった花器の形状をニューサイランの横の動きが、ミリオンバンブーのタテの構成が花器の上部の離れている特徴をそれぞれ強調して、この花器ならではの作品ですね。
細く裂いたニューサイランの軽やかな動き、グズマニアのオレンジの分量も絶妙です!
偶然が必然になりました。

緩やかな曲線をもった花器、挿し口を右によせて、石化エニシダの曲線内側の大きな空間が特徴的です。
花器右側のラインの延長線上で左右異なる構成、おもしろいです(^^)

 



 
 
 
***NHさんの作品です。
 
自由花の花材は「ぼけ、ひむろすぎ、きんぎょそう」です。
しっかりと撓めたボケは、おおらかな空間を描いています。
花器の曲線とも重なります。
一文字を入れて枝を花器の口にかけずに立ち上げ、引き締まった構成になっています。
※花材の写真…(××)ゴメンナサイ
 
右側の手を開いたような石化の表情と、1本1本丁寧に矯めて上に向かってひろがった細い線の表情が響きあっています。
花器の中に、石化部分を入れたり切り口を入れたりと入り混じっています。
ガラス花器の中は透けて見えますから、右に出ている以外の石化部分は全て中に入れて、影で見せるのもおもしろいのでは…後ろから光を当てるとあざやかに浮かびます(^^)
 
 
 

 
 
***IHさんの作品です。
 
自由花の花材は「にしきぎ、アルストロメリア 、緑の葉の名前が…(××)」です。
寸胴のガラス花器、留めも使えず難しいです。
ニシキギの帯と濃淡緑の軽快な動き、アルストロメリアの黄色の高さもいいですね。
空間のメリハリも利いています。
いつもは太さが気になる花器が細く見えます。
 
矯めた曲線、作品全体から大きな波のようなうねりを感じます。
もう少し時間があったら、完成度が高まったことでしょう(^^)

 



 

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