2013年3月30日土曜日

私の花(4-20)

「私の花」というテーマです。

テキストには、
「私の花」とは、花を見つめ、自分を見つめて、
これからどんな花をいけていきたいのか・・・
自分に問いかけていける、というテーマです。
と、なっています。

テキストでの学習を終えるにあたり、
このテーマがもうけられています。

さて、Sさんの作品です。

花材は「ぼけ」「きんぎょそう」「ドラセナ」です。

Sさんは花型法をいけている頃からも、
花ものであっても積極的に撓めることをしていました。
(控)の位置が、しっかり75°を捉えていました。(^^)v
花材と花器の色を重視し、花材を近づけては器選びをしていました。

きんぎそうの色から、花器は鮮やかなブルーのガラス器です。
花器の丸みを帯びた形から、ぼけを撓めて大きな曲線を作り構成しています。


        ◆正面から

やわらかな風が抜けているような印象です。
大きな花器ですが、ガラスなので思い印象になりません。
金魚草のボリュームがバランスをとっています。

        ◆やや左から



           ◆やや右から



             ◆ぼけ(木瓜)[バラ科]


枝振りがあばれていておもしろいです。
細身なので撓めやすいのですが、戻ってしまう難点も・・・(^^;)


           ◆きんぎょそう(金魚草)[ゴマノハグサ科]


  
落ちついた印象のピンク色です。
金魚草は透明感があるので、ガラス器との相性もいいですね。

             ◆ドラセナ[リュウゼツラン科]


今回のドラセナは「あいちあか」、
通称「あかドラセナ」と呼ばれているものです。
葉のふちが鮮やかな赤です。


            ◆ふとい「太藺」[カヤツリグサ科]


鮮やかなグリーンの直線です。
今回は使用しませんでした。


             ◆ガラス器

高さ約33cm、直径約24cmです。



2013年3月17日日曜日

自由花(きぶし、たにわたり、カラー)

Nさんの作品です。

花材は「きぶし」「たにわたり」「カラー」です。

左上から右下に勢いよく流れ落ちるような印象です。
とてもおもしろい構成になっています。


         ◆正面から






たにわたりはくるくるカールさせています。
フリルのような波打った形状と相まって、おもしろい表情を引き出しています。

真直ぐだったきぶしも丁寧に撓めて、ゆったりとした曲線に変化させています。

すっくとのびたカラーの茎、花の向きも、
作品全体の印象を効果的に引き出しています。


         ◆やや左から


            ■やや右から


勢いよく迫ってくる印象です。
こちらからもとってもおもしろいですね!(^^)


             ◆きぶし(木五倍子)[キブシ科]

花が藤の花のように垂れ下がって咲く姿から、
「きふじ/木藤」の呼び名も広く伝わっています。

枝は折れやすく撓めることが難しいとされています。

Nさん、がんばりました!(^^)v
元はこんなに真直ぐだったんです。


           ◆たにわたり(谷渡)[チャセンシダ科]

いけばなで「たにわたり」と呼んでいるものは、
「シマオオタニワタリ/島大谷渡」
「オオタニワタリ/大谷渡」だそうです。

波打った形状とともに光沢のある緑の色も魅力です。


             ◆カラー[サトイモ科]

今回は葉の先がグリーンのものです。
みずみずしく、清潔な印象です。


           ◆花器(陶器)

幅約46cm、奥行は左約11cm、右約9cmです。






2013年3月15日金曜日

場面を想定して(4-19)


お祝い事や季節の行事の場を彩るために、必ずといってよいほど花を飾ります。
「だれかのため」「何かのため」に飾るいけばな。
場面を想定して、その場にふさわしい作品をいけます。

さて、Sさんの作品です。

花材は「こでまり」「むぎ」「アネモネ」です。

WBC決勝ラウンドに日本代表の進出が決まりました。
どうせならと、「WBC優勝の祝勝会に飾る」という場面を想定しました。
前祝い?!  (^^)v

わ〜い!という喜びを表現したい。
ポンポン弾むような作品を目指していけています。

こでまりの弾む動きをいかし、
むぎの穂をいろいろな方向に飛ばしました。
アネモネのカラフルな色が、華やかさを添えています。

楽しい作品になっていますね。


        ◆正面から



        ◆やや右から



        ◆やや左から




             ◆こでまり(小手鞠)[バラ科]

小さな白い花が、手鞠のように丸く集まって咲きます。
丸い白い花の集まりが連なった姿は、華やかです。

花の重みで下がりすぎる場合は、先端を少し落とすと枝が上がります。


             ◆むぎ(麦)[イネ科]

花材用に栽培されるのは、主に「おおむぎ/大麦」だそうです。
花材には若い状態のものを使用します。
「あおむぎ」あるいは「はなむぎ」とも呼ぶようです。

やわらかな緑の色、直線的な姿から初々しさや春の勢いを感じます。


           ◆アネモネ[キンポウゲ科]

透明感のある鮮やかな色がとても魅力的です。

地中海沿岸原産で、日本には昭和初期に入っています。
ギリシアやローマ神話にも登場するほど、
地中海沿岸地域では古くから親しまれている花だそうです。

             ◆オクラレルカ[アヤメ科]

鮮やかな緑の色、鋭い剣状の形が魅力的です。
今回は使用しないことを選択しています。


 ◆花器(ステンレス)






●左 全体:高さ約53cm、幅約23cm、筒の部分:直径約9cm、高さ約30cm
●右 全体:高さ約38.5cm、幅約40cm、筒の部分:同上


2013年3月11日月曜日

剣山なしで水盤にいける(4-18)

剣山を使わずに水盤にいけます。

植物だけで自立させ、作品を構成します。
しっかりとした枝(茎)が3本あれば植物を立ち上げることはできます。
足が3本あれば立つ・・・カメラの三脚がそうですね(^^)

作品の構成を考え、重心をコントロールします。

剣山を使用しないため、足元を隠す必要がありません。

さて、Sさんの作品です。

花材は「さくら」「アルストロメリア」です。
剣山がなくても「おもしろい」作品にしなくては!

三本の足を中央で固定すると安定感があります。
・・・それを敢えてせずに、あやうい位置で固定していくことで、
作品全体の「おもしろい」を表現することにチャレンジです!

「さくら」はもともとは真直ぐな印象の枝でした。
撓めたことで立てにくくなっているのですが、
水盤からの立ち上がりに面白味がでました。
右への流れがとてもきれいです。
「アルストロメリア」も足元がスッキリ見えるように
腰高に使っています。


              ◆正面から


           ◆やや左から


           ◆やや右から


             ◆さくら(桜)[バラ科]


枝振りから、おそらく彼岸桜かと思います。
つぼみが膨らんでいます。
作品では、足元がスッキリ見えるように、
下の小枝は十分整理しています。


             ◆アルストロメリア[ヒガンバナ科]

今回は、桜の花のようにやさしいピンクです。


           ◆花器(陶器)

直径33.5cm、高さ7cmです。
下が膨らんでいることもあり、どっしり存在感があります。

2013年3月7日木曜日

いけばな協会展に出品

第52回いけばな協会展に出品しています。

会場 日本橋髙島屋 11階催し会場
会期 1次展 3月6日・7日
   2次展 3月8日・9日
   3次展 3月10日・11日

1次展に出品させていただきました。

ねこやなぎと糸を使用しました。

        ◆正面から



           ◆左横から


角席なので、真横からも見られます。


        ◆やや右から


お手入れ時間で照明がなく、暗いです。(^^;)




★いけこみ前に下記の準備をしました。
まずは、糸です。


 やなぎに通すため、先端をのりで固めています。



やなぎです。
秋とは異なり、芽が大きく成長しています。





こんな感じで、赤と黄色の糸を通して撓めています。





 私の出品は本日(7日18:00/17:30まで入場可)までですが、
お時間があったらお出かけくださいませ。


2013年3月4日月曜日

自由花(黒目柳、雪柳、エピデンドラム)

Nさんの作品です。

花材は、「くろめやなぎ」「ゆきやなぎ」「エピデンドラム」です。

自由花ですが、今回は横の広がりを意識した構成にしています。
足元が引き締まっていて、きれいな広がりが出ています。


        ◆正目から



        ◆左から


        
        ◆右から


           ◆くろめやなぎ(黒目柳)[ヤナギ科]


花穂が黒色です。
はじめは暗紅色で黒色に変わります。
今回の花材も赤みを残しています。
ねこやなぎが突然変異と見られているそうです。


             ◆ゆきやなぎ(雪柳)[バラ科]

葉がやなぎの葉に似ていることから名前にやなぎがつきます。
花が開くと淡雪のようで、やさしい印象です。
ひげのように伸びている細い枝を整理すると、線がきれいに見えます。




             ◆エピデンドラム[ラン科]

スッキリとのびた茎の先端に、円錐状または総状に小さな花が集まって咲きます。
葉は離れているため、葉を残すと長く使うことになります。


           ◆花器(陶器)

幅約25cm、奥行約10cmです。