2月1日、18回目の研究会を行いました。
テーマは「偶然をコントロールする」です。
デカルコマニーといけばなで、偶然をコントロールしていることを実感してみました。
デカルコマニーは、絵の具を2枚の紙ではさんで偶然の形を作り出そうというものです。
偶然生まれた色の広がりや滲みは、人の手では描き出せないおもしろさがあります。
①心の赴くままに、偶然を楽しむことを大切に制作
②どうすればどうなるか、推理、分析、コントロールして制作
③出来上がった作品から、おもしろい部分を発見し、そこが強調されるよう加筆
紙・・画用紙、ケント紙、コート紙、黒画用紙
①の心の赴くままに制作
色を変え、紙を変え、絵の具の置き方などを変えているのに、それぞれの傾向のようなものが表れていてびっくりです。
OSyさん
KKさん
THrさん
THさん
NHさん
②おもしろいに加筆
色、線、飛沫、水で滲ませるなど、加筆したことで厚みが出たようです。
OSyさん
KKさん
THrさん
THさん
NHさん
いけばなは、いつも偶然と出会い、偶然をコントロールして造形するものです。
今日偶然出会った、自然が育んでくれた植物に、おもしろい部分がたくさんあります。
① よく観察しおもしろいを探す。
② どこで分解したら、どのような手を加えたら、もっとおもしろくなるのか考える。
手を加えすぎて自然が育んだ強さを弱くしてしまわないよう、今日の偶然の出会いを大切に制作を進めました。
花木一種をくじ引きで。
その後、必要に応じて草花を足してもよいとしています。
まずは手にした花木のおもしろい探しです。
ここは時間をかけて。
そして、おもしろいがよりおもしろくなる花器を選び、制作開始です。
NHさん・・・けいおうざくら[バラ科]
ケイオウザクラは枝がゴツゴツした枝が特徴ですね。
矯めることを得意としているNHさんですが、枝のゴツゴツしたところが作品の主役になるよう分解し、直線的な構成をしています。
花器も直線、足が作品を持ち上げて足元を軽くしています。
THさん・・・まんさく[マンサク科]、アカシア・ブルーブッシュ[マメ科]
大きく広がりやわらかな枝ぶりのマンサクです。
アカシアは、マンサクの枝の動きによく合っていて一体感があります。
花器を高さの無いものを選び、より広がりが強調されました。
その広がりを大切に制作していたのですが、最後に左上の広がりを切ってしまい、印象が小さくなってしまいました。
残念は次に活かしましょう。
OSyさん・・・ぼけ[バラ科]、はらん[ユリ科]
枝の太い部分、直線的な線におもしろい感じて構成したそうです。
太い部分を逆さまに、花器の口から浮き上がっていていいですね。
角度も良くて、上にすっと直線的に伸びた線と90度くらいの関係で緊張感があります。
ハランの面が入ったことで、空間になっている部分にメリハリが出ました。
THrさん・・・れんぎょう[モクセイ科]、ガーベラ[キク科]
同じ方向に等間隔に並ぶ脇枝がおもしろいと、制作を開始しました。
長方形で高さの無い、足元を隠す必要の無い花器。
これ以上は倒れないところまで傾けることで留めることができる花器は、表現したいことにピッタリです。
上に向かう脇枝を強調するようにガーベラをプラスしました。
KKさん・・・さんしゅゆ[ミズキ科]、はらん[ユリ科]
太い枝の曲がりを大切に、今年の目標の大きな作品にしたいとの思いで制作したそうです。
おもしろい空間の切り方ですね。
太い曲線の動きが際立つように、細い線の一部を直線的にしてはどうでしょう。
直立に見える線とも響き合います。
最後に入れたハランは、葉を丸めたことで分量がちょうど良く動きも出ました。
茎の線も、細い枝と響いています。
最後まで見ていただきありがとうございました。
次は7月頃を予定しています😊
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