2013年2月28日木曜日

植物を使った壁作品(4-17)

壁面空間にいけばなを構成する、というテーマです。
壁面を、いけばなを飾る場として考えてみる、というものです。

壁面で生の花材を使用する場合は、水をどのように与えるかということも
合せて考える必要があります。
作品の構成の中で、生の植物が枯れないように水を与えます。
ピックを使う方法でも、大きな入れ物を使って水を与える方法でも、
水の部分が作品に溶け込むよう構成します。

さて、Sさんの作品です。

花材は、「うんりゅうやなぎ」「ユーカリ」「プロテア」「ベアグラス」です。
浮遊感のある作品になっています。

  今回の花材はドライフラワーにもできるモノばかりのため、
  水を与える点は重視せずに制作しています。

        ◆正面から


        ◆左から


こちらから見ると立体感があり、動きもとてもおもしろいです。

        ◆右から



          ◆うんりゅうやなぎ(雲竜柳)[ヤナギ科]


くねくねと曲がった枝振りが特徴です。
枝の線を強調するため、葉を落として使用しました。


             ◆ユーカリ[フトモモ科]

コアラが食べるユーカリですが、ユーカリノキ属は800種もあるそうで、
コアラが食べるのは非常に限られた種だけだそうです。
白みを帯びた葉の緑、香りも特徴です。
枝がやわらかく、葉のつき方も含めてボヨヨ〜ン(^^)とした印象です。
葉を整理することで、その特徴をより強く引き出せます。


             ◆ベアグラス[ユリ科]

いとすすきに似ています。
細く長い葉で、しなやかな曲線を描きます。


             ◆プロテア[ヤマモガシ科]


外側の花びらに見える部分は苞です。
プロテア属は種類が多く、形状も変化に飛びます。
今回のものはやさしい印象!
中がふわふわとしています。




2013年2月22日金曜日

器と床面を意識して構成する(4-16)

器を置いている床面を意識して作品を構成する、というテーマです。
床面に対して緊張感のある作品を構成します。

さて、Sさんの作品です。

花材は「とさみずき」「カラー」「アレカヤシ」です。
器から左に大きく流れ出るように構成しています。
床面を這うように構成している「とさみずき」が、
床面に対して緊張感を作り出しています。
カラーの構成もゆったりと撓め、床面への視線を誘導して効果的ですね。



        ◆正面から



        ◆左から


勢いよく迫ってくる力を感じませんか?


        ◆右から


・・・写真がまずい(ーー;)


           ◆とさみずき(土佐水木)[マンサク科]


カクカクとした枝が特徴的です。
今回のものはつぼみですが、
淡い黄色の花が連なって、垂れ下がるように咲きます。


             ◆カラー[サトイモ科]

今回は仏炎苞の先端部分だけがグリーンです。
いける前はほとんど真直ぐですね。


            ◆アレカやし(アレカ椰子)[ヤシ科]

大きな面をもちますが、葉の隙間から後方が透かして見えますので
軽やかな印象です。
葉全体を撓めたり、ひねったりすることで、別の表情を引き出すこともできます。


           ◆花器(陶器)

幅33cm、奥行26cm、高さ6.5cm
剣山は小さいものなら入ります。
横長の丸い蛍光灯、という印象(^^)です。

2013年2月19日火曜日

自由花(はくれん、カラー、オクラレルカ)

Nさんの作品です。

花材は「はくもくれん」「カラー」「オクラレルカ」です。
春の芽吹きの力強さを感じませんか?

           ◆正面から


           ◆左から



           ◆はくもくれん(白木蓮)[モクレン科]

大きく開く乳白色の花が優雅です。
花びらは少しでも擦れると茶色になります。
運ぶときやいける時は、細やかな心配りが必要です。

撓めることができませんから、
枝を整理することでおもしろい線を取り出します。


             ◆カラー[サトイモ科]

色も大きさもさまざまあります。
花びらに見えるのは仏炎苞です。
花は中の棒の部分です。
今回は、仏炎苞の先が鮮やかなグリーンです。

カラーは仏炎苞の色や表情と同じくらいに、
すらりとした茎に魅力があります。


             ◆オクラレルカ[アヤメ科]

トルコ原産のアイリス属で大型だそうです。
花茎は枝分かれして180cmになるものもあるそうです。

菖蒲の葉に比べると厚みがあり扱いやすいです。
もちもよく、鮮やかな葉色を長く楽しめます。


           ◆花器(陶器)

直径19cm、高さ13cmです。

2013年2月15日金曜日

上からの目線を意識する(4-15)

 
目線より低い位置に作品を飾ることを想定します。
上から下をを見る目線を意識して作品を構成します。

今回は、膝くらいの高さに飾る事を想定して制作しています。

さて、Sさんの作品です。

花材は「まんさく」「チューリップ」「アスパラガス・プルモーサス」で す。
まんさくがのびのびと広がっています。
上からだと影がはっきりと見え、作品の一部です。
チューリップの表情が可憐です。

        ◆上から
        

        ◆正面から

チューリップの花の動きはもちろん、葉の表情もいいですね。


        ◆右から

右から見るとまんさくの立ち昇る力強さを感じます。



             ◆まんさく(万作)[マンサク科]

春、先ず咲くので「まんさく」の名がついたと言われています。
春の訪れを知らせてくれる花木です。
花びらはリボンのようです。
明るい黄色の花から赤みの強いオレンジ色の花があります。
まれに白い花をつけるものもあるそうです。


             ◆チューリップ[ユリ科]

内側が鮮やかなピンクです。
中におやゆび姫が入っているのでは?!(^^)
と、思ってしまうくらいに可憐です。


           ◆アスパラガス・プルモーサス[ユリ科]

細かい針状の葉状枝(枝が葉のように変化したもの)がシダのような形状につきます。
透け感があり、レースのようで軽やかな印象です。


             ◆花器(陶器)

直径約20cm、高さ約25cmです
大きな穴が下に3ヵ所、小さな穴が上に3ヵ所あります。
剣山を入れて使用します。