2014年8月31日日曜日

自由花/グラジオラス、カークリゴ、パンパスグラス、ローゼル

Sさんの作品です。

花材は「グラジオラス」「カークリゴ」「パンパスグラス」「ローゼル」です。

Sさんはグラジオラスの先の部分が曲がっているところから、
プロペラのような飾りのついたステンレスの花器を選択しました。

グラジオラスが大きく旋回しています(^^)
この花器だからこその構成で、とてもおもしろいです!
ローレルからグラジオラスの花への繋がりも、リズムがあって楽しげです。
カークリゴの面の強さが全体を引き締めているようです。
パンパスグラスは敢えて控え目に。

右に出ているグラジオラスが、花器の縁にくっ付いていないのが
足元が引き締まり◎です(^^)

        ■正面から 

           ■左から

        ■右から


             ■グラジオラス[アヤメ科]

透明感のあるやさしい色の花、葉も剣状、
[アヤメ科]に納得しました。
オランダアヤメの名もあるそうです。

             ■カークリゴ[ユリ科]

薄くプリーツ状のひだが魅力です。
今回のものはほっそりと小振りです。

             ■パンパスグラス[イネ科]

こちらも今回は細身です。
こんなに細い軸に、こんなに大きな穂がどうやって入っていたのだろう?!

             ■ローゼル[アオイ科]

真っ赤な実、可愛らしいです。

             ■花器(ステンレス製)

筒部分の高さ:30cm、直径:9cm
プロペラまでの高さ:38.5cm、幅:40cmです。

2014年8月30日土曜日

色をいける・対比(3-9)/石化えにしだ、けいとう

今回のテーマは色をいける(対比)です。
前回は同系色の花材を取り合わせていけましたが、
今回は補色の関係にある色(近い色)の取り合せになります。

Oさんの作品です。

お花屋さんが選んでくださった花材は、
緑の「石化えにしだ」と真っ赤な「けいとう」です。
がっちり補色の関係の2色です。(^^)

石化エニシダの帯のような緑の流れに、
ケイトウを並べて真っ赤な流れを作り、
色だけでなく流れも対比させています。
石化エニシダの細い枝は、下の部分を切り落とし上だけ残しました。
おおらかに上昇していくように感じます。

        ■正面から

        ■左から 

        ■右から

           ■石化えにしだ(石化金雀枝)[マメ科]

石化している部分がコブラ(へび)みたいですね〜(^^;)
おもしろいです!

             ■けいとう(鶏頭)[ヒユ科]

今回のケイトウはけっこう大振りです。
で、茎が細いです。
      
             ■ゆきやなぎ(雪柳)[バラ科]  

ふんわりやわらかな緑です。
今回は使いませんでした。

           ■花器(陶器)

幅:約30cm、奥行:約12cm、挿し口の直径:約10cm

2014年8月26日火曜日

色をいける・同系色(3-8)/おくら、ブラックリーフ、けむりのき、ばら

今回のテーマは同系色の「色をいける」です。
同系色の取り合せは、全体をまとめやすいけれども単調になりやすい、
という傾向にあります。
植物は同系色の中にも色の違い、彩度や明度の違い、
さらに形状、質感の違いがあります。
何をどこにどのくらいの分量で構成するか・・・。
単調にならないよう気をつけることが大切です。

Oさんの作品です。
花材は「オクラ」「ブラックリーフ」「けむりのき」「ばら」です。

Oさんはオクラの形状に興味津々!
ブラックリーフの大きな葉と合わせ、全体としては縦長の構成にまとめました。
さて色ですが、花器も同系色を選択し挿し口部分に集中させました。
バラも色がよく見えるように配し、ケムリノキは花器からブラックリーフに
色を繋いでいます。
上部はオクラとブラックリーフの間を空けることで、
オクラの形状のおもしろさを引き立てているようです。
バラの葉も良いアクセントになっています。

           ■正面から

           ■左から

           ■右から

             ■オクラ[アオイ科]

実の曲がりが違ったりねじれていたり、おもしろいですね。
更に生育が進んで裂けた姿もおもしろいです。
中には大きな黒い種が入っています。

       ■ブラックリーフ(せんねんぼく/千年木)[リュウゼツラン科]

         ■けむりのき(はぐまのき/白熊木)[ウルシ科]

今回は葉だけです。
紫の丸い葉がとてもかわいらしく、良い香がします。

             ■ばら(薔薇)[バラ科]

正面から見ると真っ赤ですが、横から見ると茎に近い部分が白です。

             ■花器(ガラス)

幅/奥行:約13cm、高さ(奥):24.5cm、(手前)17cm

2014年8月25日月曜日

自由花/ななかまど、パンパスグラス、トルコききょう

Nさんの作品です。

花材は「ななかまど」「パンパスグラス」「トルコききょう」です。

トルコききょうの表情が好きです。
ナナカマドとパンパスグラスを大きく右に流したこと、トルコききょうの表情、
花器の形状で、転がりだしそうな印象です(^^)

        ■正面から

この花器で、トルコききょうをこの挿し口からこの向きに出発させるのは、
かなり難易度が高いです〜(^^)

        ■左から

        ■右から


             ■ななかまど(七竃)[バラ科]

「らいでん/雷電」の名も一般的によく使います。

先日パレスホテルで行なわれていた「草月流秘蔵コレクション展」で
石川龍先生がおいけになっていたナナカマド(ライデン)は、やさしい紅色に
色づいていました。
☆初日と2日目は蓮を、3日目から最終日までは紅葉をおいけでした。

             ■パンパスグラス[イネ科]

子どもの頃に初めて見たときは、ススキを巨大にしたみたいと思いました。
原産は南アメリカで、明治中期には日本に入ったそうです。
自分で鞘を割いて穂を出します。
穂を長くしようと低い位置にハサミを入れると、
穂がバラバラになることがあります。

             ■トルコききょう[リンドウ科]

牡丹色のトルコききょうです。
やさしく落ち着いた印象です。
・・・初めて見ました(^^)

           ■花器(陶器)

幅:約25cm、高さ:約25cm、奥行:約10cmです。

自由花/のばら、たますだれ、けいとう

Sさんの作品です。

花材は「のばら」「たますだれ」「けいとう」です。

ノバラの枝振りに合わせ、上部で大きく広がる構成です。
タマスダレの実がきらきらと花火のように広がり、ゴージャスな感じです(^^)
ホテルや貴金属店の一角に置くといいかも・・・なんて思いましたぁ。

           ■正面から

           ■左から

           ■右から

             ■のばら(のいばら/野茨)[バラ科]

「のばら(野茨)」は日本10数種類あるバラ属の野生種のひとつです。
秋の実物として手にすることが多いですが、初夏に小さな白い花を咲かせるそうです。

             ■タマスダレ(玉簾)[イネ科]

箒の材料となる「ホウキモロコシ」の園芸品種です。
花序の枝が長くかたいのが特徴で、
実の垂れ下がる姿から「タマスダレ」の名がついたそうです。

             ■けいとう(鶏頭)[ヒユ科]

日本人には馴染みのある花材です。
昔から好んで栽培し、花の汁を染料として用いられたこともあるそうです。

           ■花器(陶器)

直径:19cm、高さ:15.5cmです。

2014年8月24日日曜日

直線と曲線の構成(3-7)/石化えにしだ、しまふとい、きく

今回のテーマは直線と曲線の構成です。
前回、前々回と学んだ直線と曲線のふたつの要素をいれて
ひとつの作品にします。
調和であっても対比であっても、
それぞれの線がしっかりと見える作品を目指しましょう。

さて、Oさんの作品です。
花材は「石化えにしだ」「しまふとい」「きく」です。

石化エニシダは上方で曲線を大きく開き、
シマフトイは作品の中央部から上下に直線を伸ばしました。
少ない分量で大きな空間をつかんでいます。
キクの花の位置、丁寧に扱った葉の分量もいいですね。(^^)
葉を取り除いたことで表れた、キクの茎の直線も生きています。
花器との関係も◎です!


             ■正面から

             ■左から

             ■右から


           ■石化えにしだ(石化金雀枝)[マメ科]

エニシダの漢字「金雀枝」は、黄色い花が咲いている姿が
雀が枝に止まっているように見える為だそうです。

石化エニシダの花は白です。
シロバナエニシダという種類の園芸品種で、枝の一部を帯状にしたものです。

           ■しまふとい(縞太藺)[カヤツリグサ科]

斑が入り横縞に見えることから、シマフトイの名がついています。
全体が緑のフトイよりも更に涼しげな印象です。

             ■きく(菊)[キク科]

新種でしょうか?!
花が大輪で丸みがあります。

           ■花器(陶器)

羽根があちこちについているおもしろい花器です。
水が入る部分の幅:13cm、奥行:11.5cm、高さ:13cmです。

2014年8月19日火曜日

自由花/ビバーナムコンパクタ、きび、クッカバラ、けいとう

Nさんの作品です。

花材は「ビバーナムコンパクタ」「きび」「クッカバラ」「けいとう」です。

ケイトウとキビが入ったからでしょうか、秋の風情たっぷりです。
ケイトウの表情がいいですね。
キビの穂と花器のドット柄が引き立て合っています。
クッカバラの水平ラインも効いていますね。
なんだかおしゃれな作品です(^^)

        ■正面から

        ■左から

        ■右から

           ■ビバーナムコンパクタ[スイカズラ科]

まん丸の実がとても可愛らしいです。
             ■きび(黍)[イネ科]

広げると線香花火が散っているようです。

             ■クッカバラ[サトイモ科]

小振りですが緑が濃く、好きな葉のひとつです。

             ■けいとう(鶏頭)[ヒユ科]

晩夏から秋を感じます。
子どもの頃に駆け回った道ばたでよく見かけました。

             ■花器(陶器)

高さ:約30cm、幅:約30cm、奥行:約20cmです。