2012年9月29日土曜日

まぜざし(4-5)

草花を主とした、5種類以上の花材を使っていけます。

花材の種類が増えることで、色彩が豊かです。
それぞれのもつ色や表情ををコントロールして、
作品全体が醸し出す調子を大切にします。

一つの花材だけが目立たないようにしましょう。
強い色や大きな花や葉は、位置や分量に注意します。

さて、Sさんの作品です。

作品に使用した花材は10種類です。

同型の花器を2つ、色違いで使用しています。
2つの花器をどのように配置するか・・・、
いろいろ試していましたが、この配置になりました。

すっきりと立ち上がった「とうごま」と「こすもす」、
なびいた「すすき」、「あかなす」「けいとう」にも秋を感じます。
とうごまの大きな葉も効果的です。

足元は全体に高さを抑えて入れてあります。
6種類の花材が入っていますが、どの花の表情もいきいきとしています。
「スプレー菊(ピンク)」「大菊(黄)」「あかなす」
「りんどう」「あわ」「おみなえし」が入っています。



     ◆正面から


下の写真は、強い色をもつ「けいとう」と「大菊」を入れる前です。
作品から醸し出される印象が異なります。

     ◆正面から


             ◆すすき(薄)[イネ科]

秋の七草のひとつです。
今回のすすきは、葉に少し斑が入っています。
横に斑が入っているものは「タカノハススキ」「ヤバネススキ」と呼ばれています。

水揚げが悪く、すぐに穂はほうけ葉は巻いてしまいます。
水切りの後、切り口に酢をつけるといくらか良いようです。

    
             ◆とうごま(唐胡麻)[トウダイグサ科]

葉と赤い茎が印象的です。
茎は中が中空で撓めることができません。
大小様々な葉がついていますので、葉の残し方でおもしろいを引き出します。


             ◆あかなす(赤茄子)[ナス科]

一見ミニトマトに見えますが、ナスです。
観賞用です。

        ◆こすもす(秋桜)[キク科]
          ◆スプレー菊[キク科]
            ◆大菊[キク科]
              ◆けいとう(鶏頭)[ヒユ科]
                ◆りんどう(竜胆)[リンドウ科]     


             ◆おみなえし(女郎花)[オミナエシ科]


             ◆あわ(粟)[イネ科]


ユーカリ[フトモモ科]

ユーカリは、・・・作品には入りませんでした。



すすき、おみなえし、こすもす、けいとうはとても背の高いものでしたよ。


          ◆花器(プラスチック製)

横幅39cm、高さ7cm、奥行は広いところで16cm、狭いところは4.5cmです。
複数あるといろいろな並べ方ができます。

2012年9月22日土曜日

とらやさん(赤坂本店)いけかえ4


一昨日朝、1階店舗の花をいけかえました。

花材は、「どうだんつつじ」「りんどう」「スプレー菊」
「われもこう」「竹(着色)」です。











菓寮は一昨々日朝、花の一部を取り替えています。
ゆりも入りました。

写真は今日撮ったものです。






25日まであと4日。


2012年9月20日木曜日

下からの目線を意識する(4-14)

目線より高い位置に作品を飾ることを想定します。
下から上を見る目線を意識して作品を構成します。

さて、Nさんの作品です。

花器棚の上段を、作品を飾る場としました。

花材は「のばら」「ピンクッション」です。


        ◆やや下からの目線


        ◆さらに下からの目線  


より下からの目線で見る方が、のばらもピンクッションもいきいきと見えます。
下からの目線を意識して構成した効果です!

        ◆やや左から    


目線より上に作品を飾る場合も、奥行をとって立体感のある構成にすることは大切です。

        ◆やや右から        



        のばら(野茨)[バラ科]

まだ実の色はほとんど緑です。
季節がもう少し進むと、赤く熟してきます。
茶色い枝は緩やかな曲がりがありますが、ほとんど撓めが利きません。


           ◆ピンクッション[ヤマモガシ科]

花の姿がそのまま名前になっています。

オレンジ色の方が一般的でしょうか。
茎も葉も固いです。


        ◆花器(陶器)


幅33.5cm、奥行11cm、高さ14cmです。


2012年9月17日月曜日

とらやさん(赤坂本店)いけかえ3


昨日朝、1階店舗の花をいけかえました。

花材は「どうだんつつじ」「菊」「竹(着色)」です。


             






菓寮は一昨日朝、枝を取り替えました。
どうだんつつじの葉が色づいています。
左側に、竹(着色)を少し足しました。

昨日、菊の一部を取り替えました。
ゆりは花が終って葉だけを残しています。





2012年9月15日土曜日

一種いけ(4-4)


一種類の花材(植物)だけでいけます。

一種いけは花材を組み合わせることができません。
その花材の足りない部分を別の花材で補うことができません。


手にした花材の「おもしろい」を作品の中で押し広げるとよいでしょう。
花材をよく見て、触って、「おもしろい」を探しましょう。

 枝に葉がついているものもあれば、枝だけのものもあります。
 花がついている場合もあります。
 その枝にも、撓めの利くものと利かないものがあります。

花材によってできることとできないことがありますから、
何ができるか確認しましょう。


花材は一本いっぽん表情が異なります。
その異なる表情を構成して、「おもしろい」を発信する作品に!

さて、Sさんの作品です。
のびのびと大きく展開しています。

花材は「石化やなぎ」です。


      ◆正面から


           ◆左から


           ◆右から




◆せっかやなぎ(石化柳)[ヤナギ科]


枝の上部が異常生長し帯状になっています。
生長の仕方がそれぞれですから、1本いっぽんの表情が大きくことなります。
帯状の部分は撓めにくいですが、細い部分は他の柳同様に撓められます。


           ◆花器(ガラス)



高さ約33cm、幅約24cmあります。


2012年9月12日水曜日

とらやさん(赤坂本店)いけかえ2

昨日朝、1階店舗の花をいけかえました。

花材は「どうだんつつじ」「スプレー菊」「くじゃくそう」です。


        ◆正面から

        ◆やや左から

        ◆やや右から


              ◆花材

カメラを忘れ携帯で撮りましたが・・・こんなにボケているとは(−−;)


菓寮は花もののみ取り替えました。

いけこみ当初となにも変わってない?!・・・かも。
















枝ものでいける(4-3)

枝ものだけを2種以上使用していけます。

さてSさんの作品です。

花材は「ひめそけい」「こうりやなぎ」「けむりのき」です。

『枝』というと、固い木の枝に葉が付いているものを思い描きます。
Sさんから、「茶色い枝ではないんですね」と、一言。
う〜ん、確かに。
「花もの」でなく、「葉もの」でもないから・・・、
この三種は、やっぱり「枝もの」に分類されるかなぁ・・・と。(^^;)


「こうりやなぎ」の線の交差がきれいです。
丹念に矯めて、左に流れた後に床に落ちていくような印象です。
垂直に下りているこうりやなぎからは、緊張感も感じます。
周りを「ひめそけい」が軽やかに彩っています。
流れる曲線がきれいです。
「けむりのき」の赤い丸葉が器と繋いで、口元をまとめています。
器のスッキリとした形状とポイントの輪とも、よく合っています。

        ◆正面から

        ◆やや左から

        ◆やや右から        

           
           ◆こうりやなぎ(行李柳)[ヤナギ科]

わきから出る小枝も、真直ぐ上に向って伸びます。
柳行李を編むのに用いられていました。

◆けむりのき[ウルシ科]

花が終ったあとの糸状の毛が、けむりが立っているように見えるため、
この名がついています。
「スモークツリー」とも呼ばれます。
今回は、けむりの部分のない葉のみが花材として出回っているものです。
赤い縁取りのある丸葉がかわいいです。

ひめそけい(姫素馨)[モクセイ科]
ジャスミンの仲間です。
小枝に小さい葉が何枚か集まって付いています。
レース編みを見ているような印象です。
軸も緑で細くやわらかです。

             ◆花器(ステンレス)

筒の直径は約9cm、輪の上までの高さは約53cmです。
筒の高さを測るのを忘れてました・・・(^^:)
比率から、約30cm程
でしょうか。