2014年7月28日月曜日

直線の構成(3-5)/ふとい、ひまわり

今回はテーマは「直線の構成」です。
植物は色々な形、要素でできています。
その中から『直線』を取り出して、
『直線』を主役にして作品を構成します。

花材は「ふとい」「ひまわり」です。

フトイは細く真直ぐな形状ですのでそのままで直線です。
ヒマワリは花はまん丸ですが、茎は真直ぐ伸びているのでここに直線の要素があります。

さて、Oさんの作品です。
すっくと立ち上がったヒマワリの、
左は真直ぐ伸びたフトイを、右は折ったフトイを配しました。
真直ぐなものと折ったもの・・・手法を複数にすると纏まりにくいのですが、
バラけた感じはまったくありません。
左右のフトイの挿し口や開き方のバランス、
ヒマワリを上下に配したことが良かったでしょう。
フトイは少ない本数ですが、大きなヒマワリに負けずに空間を捉えています(^^)v

Oさんは花器も直線を意識して八つ橋型を選びました。
直線の要素だけでなく、右側を大きく空けてこの季節恋しい水も作品にしています。
折ったフトイが水面への誘導もしてくれているようですね。

              ■正面から

              ■左から

              ■右から


             ■ふとい(太藺)[カヤツリグサ科]

細いのに名前は「ふとい」・・・なぜ?
と、ずっと思っていました。

ふとい・・・は、太いイグサという意味で命名されたそうです。
でも、[イグサ科]ではなく[カヤツリグサ科]です(・・;)


             ■ひまわり(向日葵)[キク科]

今回のヒマワリは、子どもの頃から見慣れ絵に描いてきた、
夏の太陽そのままの力強いヒマワリです。
このヒマワリを見ていると、蝉の鳴き声が聞こえてきそうです〜(^^)

           ■花器(陶器)

幅:35.5cm、高さ:5.5cm、奥行(長い):21cm、(短い):12.5cm

2014年7月27日日曜日

自由花/ゆすらうめ、もろこし、けいとう、ゆり

Sさんの作品です。

花材は「ゆすらうめ」「もろこし「けいとう」「ゆり」です。

花器から垂直に立ち上がり右に水平に流れる、おもしろい構成です。
分岐点に配した赤いケイトウがポイントですね。

        ■正面から

        ■左から

        ■右から


       ■ゆすらうめ(梅桃、桜桃、山桜桃、朱桃、英桃)[バラ科]

赤い小さな実が可愛らしいです。
ユスラウメを表す漢字がたくさんありますね。
中国原産で中国名「毛桜桃」、漢名「英桃」。
日本には江戸時代の初期に入り、当初は「桜桃」と記されています。
その後「桜桃」はサクランボを示す言葉となって、
ユスラウメには「朱桜」があてられたそうです。

            ■もろこし(唐黍、蜀黍)[イネ科]

「もろこし」は園芸品種がたくさんあるそうで、
今回のものは鑑賞用の「くろほきび/黒穂黍」です。
独特の表情がおもしろいですね。

           ■けいとう(鶏頭)[ヒユ科]

赤い色が鮮やかな花材です。
かたまりで使うと強い表現ができますね。

ゆりの写真・・・また再現できませんでした。
カメラが古くてダメなのかも(××)

             ■花器(陶器)

直径:11cm、高さ:27.5cmです。

2014年7月22日火曜日

自由花/のばら、るりたまあざみ(ブルーボール)、アンスリウム

Nさんの作品です。

花材は「のばら」「るりたまあざみ」「アンスリウム」です。

足元をひとつにまとめ、全体を左から右に流れるように構成しています
ルリタマアザミの実は勢いよく飛出しています。
ノバラの実は逆らって左を向いています。
楽しく戯れている印象です。

アンスリウムは、当初左から右への流れの中に組み込まれていました。
苞を正面に向けて、上に立ち昇る印象となるようにしてみたところ、
空中で戯れている楽しげな表情が現れてきました。

        ■正面から

        ■左から

           ■右から

           ■のばら(のいばら/野茨)[バラ科]

まだ時期が早いので、細く短く未熟な印象です。

        ■るりたまあざみ(瑠璃玉薊/ブルーボール)[キク科]

まんまるの蕾が、やがて紫色に色づきます。
「ブルーボール」の名、そのままですね。
一見ドライフラワーになりそうですが、萎れて枯れてしまいます。
[キク科]とわかり、納得しました(^^;)

             ■アンスリウム[サトイモ科]

オーソドックスなタイプですが、
こじんまりと姿もきれいです。

           ■花器(陶器)


幅:約25cm、高さ:約10cm、奥行:4〜5cm
奥行がなく剣山が入りませんので、上記のワイヤーメッシュが花留めです。

2014年7月20日日曜日

複数花器にいける(3-5)/なんてん、もみじ、りんどう、ヒペリクム

Oさんの作品です。

今回のテーマは「複数花器にいける」です。
2つ以上の花器を使ってひとつの作品をいけます。

花器は自由に選び、組み合わせます
色、形、材質・・・。
すべて異なるものを組み合わせても良いですし、
その中のひとつを統一するのも良いでしょう。

Oさんは形を合わせて花器を選びました。

左のナンテンはまるで見得を切っているようですね〜(^^)
右のモミジを左のナンテンになびくように構成しています。
いけている間も何度も花器を動かして、制作を進めていました。

空間を大きく捉えた作品に仕上がりましたね。
空間に緊張感があってとても素敵です。

        ■正面から

        ■左から

        ■右から

花材の写真を撮り忘れていました(××)・・・ごめんなさい。

            ■花器(陶器)

幅:29cm、高さ:22.5cm、奥行(広い方):7.5cm、(狭い方):2.5cm

2014年7月15日火曜日

自由花/ディアボロ、ういきょう、石化けいとう

Nさんの作品です。

花材は「ディアボロ」「ういきょう」「石化けいとう」です。

茎が帯のようになっているけいとうをダイナミックに立ち上げ、力強いですね。
ディアボロとウイキョウは、ケイトウの動きに合わせて構成しています。
それぞれをまとめていることで、色の違いが効いたように感じます。

           ■正面から

           ■左から

この角度からは、ウイキョウの線に勢いがありますね(^^)

           ■右から

    
         ■ディアボロ(アメリカテマリシモツケ)[バラ科]

紫色の葉が特徴です。
緑濃いこの季節に紫の葉は目をひきます。
同色の実もおもしろいですね。

             ■けいとう(鶏頭)[ヒユ科]

茎が帯状に石化しているケイトウです。
初めて目にしたのは昨年でしたが、もっと以前からあったのでしょうか?!
おもしろいですよね(^^)

             ■ういきょう(茴香)[セリ科]

ウイキョウは大好きな花材のひとつです。
撓めることはできませんが、
鋏の入れかたでおもしろい線を取り出すことができます。

           ■花器(陶器)

幅:25cm、高さ:21cm、幅:12.5cmです。
後にも穴があります。
左を下にして立てることも可能です。

株分けの構成(4-3)/マンサク、あじさい、アスター

Oさんの作品です。

今回のテーマは「株分けの構成」です。
剣山を2ヵ所以上使用して株(挿し口)を分けます。
株と株との空間を意識して構成します。
空間となっている部分に見えない繋がりを感じる作品・・・、
緊張感がある作品を目指します。

花材は「まんさく」「あじさい」「アスター」です。

右側のあじさいが、左側の隠れているあじさいに何かを語りかけているように感じます(^^)
まんさくの空間を大きくつつんでいる構成もいいですね。
右側はあじさいの紫を前面にだし、左側はアスターの赤を前面にだしたことによる
色のコントラストも効果的です。
空間に緊張感が生まれていることで、水面も凛と清く感じます。

        ■正面から

           ■左から

           ■右から


             ■まんさく(万作)[マンサク科]

ほどよい葉の大きさで色もやわらかく、とても可愛らしいなぁという印象です。
盛夏にむけてどんどん大きく濃い緑になります。
マンサクの枝はとてもよく撓めが効きますから、
怖がらずに自分のおもしろいと思う線に変貌させてみてください。

           ■アスター(えぞぎく/蝦夷菊)[キク科]

お盆の頃のお花、という印象をもっていましたが、
品種改良が重ねられ、現在は一年中出回っているそうです。
中国や朝鮮半島の北部、西チベットが原産で、
日本には中国から江戸時代中期に入りました。
外国から入った菊ということで「蝦夷菊」「薩摩菊」の名があるそうです。

(××)あじさいの写真も撮ったのですが、なぜか再現できないメッセージが・・。
ゴメンナサイ。
             ■花器(漆器)

「八つ橋」の名前がついています。
奥行は50cm程、幅は広い所で30cm程、狭い所が20cm程です。

Oさんは左側を前にして使用しています。

2014年7月9日水曜日

自由花(がま、たんちょうアリウム、ダリア)

Sさんの作品です。

花材は「がま」「たんちょうアリウム」「ダリア」です。

がまの葉をゆったりとそよぐように構成しました。
たんちょうアリウムは立ち昇るように、がまの葉の動きにあわせています。
あざやかなピンクの大きなダリアが、ブルーの水面によく映えますね。

大きな水面にたゆたうがま・・・。
七夕、涼、浴衣の少女を連想しましたぁ(^^)

           ■正面から

           ■左から

           ■右から

             ■がま(蒲)[ガマ科]

          ■たんちょうアリウム(丹頂アリウム)[ユリ科]

             ■ダリア[キク科]

           ■花器(陶器)

幅:56cm、奥行:38cm、高さ:7cmです。

2014年7月8日火曜日

横長の構成(3-2)/ひめみずき、たにわたり、けいとう、りんどう

テキスト3-2「横長の構成」は、
横に広がりを感じる作品に構成します。

Oさんの作品です。
ひめみずきで、大きく流れるように横の広がりを構成しています。
けいとうの赤、りんどうの青、花器のオレンジを一つにまとめたことで、
ひめみずきの緑の広がりが大きく感じるようです。
そっと被せたたにわたりが可愛らしいです。
緑がつながることでも効果的ですね。
四角い花器の角を正面にしたことも、作品を軽やかにしています。
テーマをよく理解した作品になっています。

        ■正面から

        ■左から

        ■右から


            ■ひめみずき(姫水木)[マンサク科]

      ■たにわたり(しまおおたにわたり/島大谷渡)[チャセンシダ科]

             ■けいとう(鶏頭)[ヒユ科]

             ■りんどう(竜胆)[リンドウ科]

             ■花器(陶器)

幅:14cm、奥行:14cm、高さ:15cmです。