7月6日土曜日に17回目の研究会(勉強会)をしました。
本部の今年度のテーマが、宏先生が提唱された「いけばなは立体造形である」から、立体造形のいけばなを知るために以下の内容で行いました。
1)造形あそびから「紙による立体」
紙(無)から人の手が入り立体(有)に。着色をして色の効果も知る、をテーマに。
2)「あらゆる角度からの視線を考える」
立体は角度によって見え方が変わることから。
花材は選択できることにし、花材から発想して制作します。
3)自分で選ばない花器と花材を使って
いけばなは偶然の出会いを必然にするもの、を実感するため。
目の前の花器の形を変えることはできない事から、花器から発想して制作することに。
1)「紙による立体」
紙を2枚重ねて楕円に切ります。2枚の円周は同じ!
2枚をずらして周囲をテープで貼っていくと立体になります。
楕円の形、ずらし方で、出来上がる形が変わります。
造形あそびは、宏先生が表現の本質を学べるようにテキストに組み込んでくださったものと、書き残されています。
植物という形をもったもの、つまりはじめから「有(有機的)」であるものを使って造形する我々にとって、無機的な素材、つまり「無」から何かを作ってみるという勉強は、はかりしれないものをもたらしてくれるはず、と。
造形あそびは「平面分割」「デカルコマニー」「コラージュ」「紙による立体」がありました。
NHさん
時間切れで塗り残しがありますが、色が入ったことで渦巻きのように見えます。
ASさん
立体の形状と色合いから、やわらかな物体に見えます。
(KKさん)
隣り合った色の効果で、シャープな印象です。
角度で色がつながって見えるように着色したそうです。
(YAさん)
大きく反り返った立体で形そのものもおもしろいですが、
色の切り替えを曲線にして、形状の特徴がより強くなるように着色されています。
(OSyさん)
膨らみは大きくないですが、着色でねじれた感じが強調されました。
(HKさん)
形状と着色から、リボンと浴衣を連想しました。
暑い日なので、涼しい作品になったそうです。
絵を描くように着色しているため、立体の形状をより引き出すという点で弱くなりましたね。
(HRさん)
周囲がオレンジ一色で、オレンジの大きな実ですね。
緑と紫が入って、すべての色がより強い印象になったようです。
どの作品も角度によって見え方が違いますから、
いろいろな角度から見ていただけないのが残念です。
2)あらゆる角度からの視線を考える
角度によって、形や見え方が大きく変化する作品を目指しました。
OSyさん
ゆったり空間をとらえています。
K Kさん
角度によって空間の広がりはもちろん、素材がグルーピングされる変化もあります。
NHさん
どの枝も花も丁寧に矯めてあるので、どの角度から見ても伸びやかです。
HKさん
3種の葉ものをグルーピングしているので、
素材の違いが、そのまま角度によって違う見え方をする作品です。
YAさんの
グロリオーサの茎の線が主役の、繊細な作品ですね。
あまり厚みがない横に広がる構成の場合は、正面からと横からは大きく変化しますね。
HRさん
正面からと左から、大きく変化します。
ヒペリクムを大きく前に出しているので、横から見た時にも効いていますね。
3)自分で選ばない花器と花材を使って
偶然の出会いが必然となるよう、柔軟に発想して制作を。
HRさん
ドウダンツツジの葉の面が美しく、瑞々しい作品です。
NHさん
ガマの線がおもしろく構成されています。
穂を天井に集めて水平にしようとしたそうです。
立ち上がりも美しいですね。
K Kさん
この角度からも良いのですが、
左から、面の葉が裂いた葉の向こうに見えるのも素敵でした。
YAさん
葉をおもしろい形にまとめています。
葉の色の濃淡も作品構成の大切な要素に。
葉と花器との空間が効いていますね。
HKさん
ユキヤナギの線の構成が、花器の形と響き合っていますね。
ソテツはユキヤナギを留める働きもしながら一体化しています。
OSyさん
ニシキギを高い位置から矯めて下げていたのですが、
ニンジンの花がイキるよう水平に、面が強くなるように少し手を加えました。
昨年から中国での仕事が再開、年に80〜90日ほどは日本を不在にしています。
そのため今回は1年振りで、ついつい盛り沢山にしてしまいました。
次回は2月にできると良いのですが・・・。
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