2012年5月28日月曜日

マッスと線の構成(3-13)



Sさんの作品です。

テーマは『マッスと線の構成』です。
植物を集合させて作った「塊」と、植物から見つけ出したり作り出したりした線を
組み合わせて作品にします。

さて、Sさんの作品はどうでしょうか。
花材は「けむりのき」と「ゆうぎりそう」です。

         
 ◆正面


「けむりのき」「ゆうぎりそう」名前のとおり煙と霧を連想させる植物です。

「けむりのき」のマッスはとても幻想的な印象です。
「ゆうぎりそう」も霧のような印象をもつ花ですが、青紫の色が鮮やかです。
マッスに加える事で、けむるようなマッスの印象をより引き立てています。

「ゆうぎりそう」の茎を線の要素として作品に加えています。
もともとは真直ぐな茎でしたが、Sさんが丁寧に矯めて
柔らかな印象の線に作り変えています。

幻想的なマッスに、緩やかな曲線をもつ線を合わせる事でやさしい作品になっています。

「けむりのき」は「スモークツリー」とも呼ばれます。
正式な和名は「ハグマノキ」(白熊木)、[ウルシ科]です。
名前の通り、けむりが立っているように見える木です。

地面に生えている状態を初めて見たのはオランダでしたが、
7〜8㍍かもっと大きかったでしょうか。
大きく育つ事に驚きました。
葉の緑がふわっとけむりの中にあるように見えました。


「ゆうぎりそう」(夕霧草)は[キキョウ科]です。
小さな花が塊になって咲きますが、一つひとつの小さな花の中央から
細い糸のような花柱が長く突き出しています。
そのことから、全体が霧がかかっているような印象です。

◆花器
花器は、下段に大きな穴が3ヵ所、上段に小さな穴が3ヵ所あるものです。
剣山を入れて使用します。
直径20㎝位です。

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