8月2日(土曜日)に19回目の研究会を実施しました。
緑色の花材を使用し、2作いけました。
花材は2通りの組み合わせがあり、くじ引きです。
なお、予備花材があり必要に応じて使って良いことにしました。
①なんてん、ゆきやなぎ、のばら、はらん
②つげ、アレカやし、さんごみずき
予備 やつで、おうばい、むべ、アレカやし、つげ
1作目は、「緑のちがいを作品にしてみよう」をテーマにいけました。
いけばなは植物を使って表現しますが、植物は「葉」「茎」「若いつぼみ」のほとんどは緑色で、いけばな人にとって一番身近にある色とも言えます。
テキスト(5-4)「緑をみつめる」では、
「さまざまな植物のもつ緑の違い、美しさに着目し、それに徹底的にこだわり、最大限にいかしていけます」の一文があります。
また、植物はそれぞれ形状、質感、ツヤの有無、葉脈があり、表裏でも違います。
よく見て違いを発見し、表現に活かすことを第一としました。
NHさん
ナンテンとハランの濃い緑をユキヤナギの明るい緑が立ち昇っています。
右に出したノバラと合わせ、動きがあります。
ナンテンもユキヤナギも矯めが利きませんから、口の細い縦長の花器を選択し、縦に並べる構成になったようです。
SKさん
現在テキスト1を勉強中で、初めての自由花です。
足元にはヤツデ、ツゲ、サンゴミズキが入り、緑の濃淡と形状の違いが組み合わされて、なんだか楽しげな表現になっています。
大きなツゲが右端から出発して右に傾いていたので、目線を中央に戻すため大きめのヤツデをプラスしてみました。
THさん
ぷーっと膨らんだようなハランの濃淡が美しいです。
ユキヤナギの柔らかな緑のやさしい曲線、戯れるノバラの実、繊細な作品ですね。
上のノバラの枝がおもしろい形、赤く焼けている部分はテーマと合わないのですがよくみると地は緑でした。
HKさん
葛飾北斎の波のようですね。
アレカヤシの濃い緑の波からツゲの明るい緑とび出すように覗いています。
ツゲに粗密があり力強い作品です。
アレカヤシの葉の流れも表現に生きています。
この花器ならではの表現になっています。
OSyさん
ユキヤナギとナンテンの緑の濃淡がふわふわと雲のよう。
手前のハランの緑が、明るく日差しを通しているように感じるのですが、花器の上部も緑を含んでいて繋がります。・・・うまく写真に表現できませんでした(××)
ウンナンオウバイは外への広がりがどこまでも続くようで素敵です。
オウバイの流れに明るくまん丸のノバラが同調、印象をやわらかくしてくれました。
KKさん
ツゲは小さな葉ですが表裏で色が大きく違います。
奥を面の濃い緑を多く見せ、手前は裏の明るい緑を多く見せて、写真ではうまく伝えることができていませんが、厚みのある作品になっています。
暴れたアレカヤシが、シルバーの怪しい光に合っています。
2作目は、「水をいける」をテーマにいけました。
水は形が無いけれども、形のあるもので描き出すことができます。
日本画の余白や落語や朗読の間は、観る人聴く人の想像力で絵やお話がより深いものになります。
花器と緑の植物を使って、水をいける意識で制作することを第一としました。
OSyさん
アレカヤシの切り取られた部分が、視線を水へと誘導してくれます。
ハランの面と割いた線を包むようにアレカヤシをかぶせています。
隙間を通して見える面、交差する線の動きが作品を厚くしてくれました。
アレカヤシの先端の動きもいいですね。
HKさん
逆さにしたアレカヤシが底まで繋がったことと、水の外の葉の残し方で、水の中と外がうまくひとつになっています。
水をスレスレまで入れたことが良かったです。
水の中の葉の左右異なる構成もいいですね。
水の外のムベのつるの形が視線を水に誘導してくれます。
KKさん
下から見上げる作品にしようと思ったそうです。
水中に下がる葉の軸の動きを作品にしていて、発想がおもしろいですね。
離れて見ると底に落ちた一枚の葉に気づき、視線が作品全体に広がりました。
水がピクリとも動かない、時間が止まったように感じました。
SKさん
花器の両端から立ち上げ、中央を水を見せる構成にしています。
アレカヤシの先端が下に向かい、視線を水に誘導してくれていますね。
サンゴミズキが上方向に立ち上がっていたので、視線が上にいかないように折って横にしました。
THさん
丸めたハランを表裏取り混ぜ、水を通して鮮やかになった色合いが複雑ですね。
思わず見つめてしまいます。
もう少しだけ深いところまで緑があったらと思いましたが、ハランを下に足すことはできず・・。あれこれやってナンテンの葉が下に入っていますが、左上の葉の上まで緑が続いているともっと良いかなと感じました。
外のナンテンは美しすぎる先端を落として、少し小さく変えました。
水の高さも重要で、最初はもっと低い位置でした。
満タンも試しましたが、今の高さが一番素敵に見えました。
NHさん
大きく深い花器に、ナンテンとユキヤナギの緑の濃淡が鬱蒼とした森の中を連想させてくれます。
緑の間から見える水は、こんこんとたたえられているようで冷たさも感じます。
水に映る影も魅力ですね。
0 件のコメント:
コメントを投稿