2012年9月12日水曜日

枝ものでいける(4-3)

枝ものだけを2種以上使用していけます。

さてSさんの作品です。

花材は「ひめそけい」「こうりやなぎ」「けむりのき」です。

『枝』というと、固い木の枝に葉が付いているものを思い描きます。
Sさんから、「茶色い枝ではないんですね」と、一言。
う〜ん、確かに。
「花もの」でなく、「葉もの」でもないから・・・、
この三種は、やっぱり「枝もの」に分類されるかなぁ・・・と。(^^;)


「こうりやなぎ」の線の交差がきれいです。
丹念に矯めて、左に流れた後に床に落ちていくような印象です。
垂直に下りているこうりやなぎからは、緊張感も感じます。
周りを「ひめそけい」が軽やかに彩っています。
流れる曲線がきれいです。
「けむりのき」の赤い丸葉が器と繋いで、口元をまとめています。
器のスッキリとした形状とポイントの輪とも、よく合っています。

        ◆正面から

        ◆やや左から

        ◆やや右から        

           
           ◆こうりやなぎ(行李柳)[ヤナギ科]

わきから出る小枝も、真直ぐ上に向って伸びます。
柳行李を編むのに用いられていました。

◆けむりのき[ウルシ科]

花が終ったあとの糸状の毛が、けむりが立っているように見えるため、
この名がついています。
「スモークツリー」とも呼ばれます。
今回は、けむりの部分のない葉のみが花材として出回っているものです。
赤い縁取りのある丸葉がかわいいです。

◆ひめそけい(姫素馨)[モクセイ科]
ジャスミンの仲間です。
小枝に小さい葉が何枚か集まって付いています。
レース編みを見ているような印象です。
軸も緑で細くやわらかです。

             ◆花器(ステンレス)

筒の直径は約9cm、輪の上までの高さは約53cmです。
筒の高さを測るのを忘れてました・・・(^^:)
比率から、約30cm程
でしょうか。



2012年9月11日火曜日

まぜざし(4-5)

草花を主とした、5種類以上の花材を使っていけます。

花材の種類が増えることで、色彩が豊かになります。
それぞれのもつ色や表情ををコントロールして、
作品全体が醸し出す調子を大切にします。
一つの花材だけが目立たないようにしましょう。

さて、Nさんの作品です。

花材は、なんと12種類!
「すすき」「われもこう」「おみなえし」「トルコききょう」「けいとう」
「スプレー菊(黄)」「小菊(白)」「ひおうぎの実」「りんどう」
「ななかまど」「オオアワガエリ(・・・おそらく)」「がくあじさい」

せっかくなので、全種類使用することを目標にしました。

花材の一つひとつは地味な印象なのですが、
12種類も入っているのでさすがに華やかです。
花材の中では「けいとう」の赤が目立つ色ですが、
やや後ろに入れてあり、目立ち過ぎないアクセントになっています。

        ◆正面から



           ◆やや左から


           ◆やや右から

秋の花材ですが、まだまだ暑さが残っています。
水面が涼やかで良いですね。
         
             ◆すすき(薄)[イネ科]

            ◆われもこう(吾亦紅)[バラ科]

             ◆ななかまど(七竃)[バラ科]

             ◆がくあじさい(額紫陽花)[ユキノシタ科]

             ◆おみなえし(女郎花)[オミナエシ科]

      ◆トルコききょう[リンドウ科]/◆りんどう(竜胆)[リンドウ科]

    ◆小菊[キク科]/スプレー菊[キク科]/けいとう(鶏頭)

             ◆ひおうぎ<実>(檜扇)[アヤメ科]

             ◆オオアワガエリ・・・だと思います。

             ◆花器(漆器)



奥行50cm程、幅は広い所で30cm程、狭い所が20cm程です。
「八つ橋」の名前がついています。

2012年9月10日月曜日

葉ものでいける(4-2)

『葉ものでいける』は、
葉ものだけを2種類以上使用して作品を構成します。

花ものに比べると、多少の力技には耐えてくれます。
丸めたり、折ったり、裂いたりして、形を変貌させることもできます。

葉ものの色は、限られた範囲になります。
だからこそ、微妙な緑の濃淡や質感の違いに心が動きます。


さて、Sさんの作品です。


花材は「カークリゴ」「ドラセナ」「ニューサイラン」です。

それぞれの葉がもつ形状の違いをいかして構成しています。
幅広のカークリゴを中心に、ドラセナとニューサイランからリズムを感じます。


           ◆正面から   

           
           ◆左から


作品の立体感が分かります。

           ◆右から

ドラセナは1本の茎に4枚の葉が付いています。
おもしろい素材となるように、葉を整理したことがわかります。


             ◆カークリゴ[ユリ科]


肉の薄い大判の葉です。
やわらかい緑で、プリーツのようなひだがあります。


             ◆ニューサイラン[ユリ科]


剣のように細く尖った形です。
繊維が強く、固いです。


             ◆ドラセナ[リューゼツラン科]


1本の茎から何枚もの葉が付きます。
ドラセナは種類が多く、それぞれ葉の形状や色が異なります。
とても細い葉のものや丸い葉のものもあります。


☆あと2種類の葉を用意していましたが、入れると作品の雰囲気が損なわれると判断。
 使用しませんでした。

             ◆モンステラ[サトイモ科]


             ◆ブラックタイ(リューゼツラン科)

ブラックタイもドラセナの仲間です。
葉が大きく、通常一枚の状態で出回ります。


           ◆花器(陶器)

幅約32cm、高さ左17cm、右8cm。
「おりがみ」と命名されています。










2012年9月5日水曜日

とらやさん(赤坂本店)いけかえ1

今朝、1階店舗の花をいけかえました。

花材は「くり」「どうだんつつじ」「スプレー菊」です。
秋を感じていただけるとうれしいです。





いける前の花材です。

くりは直径5〜6cm程の緑の実が10個程付いています。
葉っぱがたくさん付いています。
表は濃い緑ですが、裏は白いです。



スプレー菊が8本。
色が似ているものはありますが、み〜んな違います。
各1本!
オレンジ、白、黄色を使用しました。






菓寮は一昨日いけかえました。

枝が「なつはぜ」から「どうだんつつじ」になりました。





2012年9月2日日曜日

枯れもの・漂白花材・着色花材(4-13)

枯れもの▷植物を乾燥させた花材
漂白花材▷枯れものを漂白した花材
着色花材▷色を塗った花材

上記の花材を使用して作品を構成します。
既に乾燥していますので、水を必要としません。
必ずしも花器(水)から出発しなくてもよいということになりますので、
生の植物を使用する作品に比べ、軽やかな展開が可能になります。

このテーマでは上記の花材のみで構成してもよいですし、
生の植物を組み合わせてもよいとなっています。
・・・生の植物は水からの出発となります。

さて、Nさんの作品です。

花材は、「いぐさ」「スモークグラス」「みつまた」「たけ」です。
生の植物は含んでいません。
  
           ◆正面から

枯れもので色が抑えられているからでしょうか、
とても静かな印象をもちます。
いぐさの広がりがきれいです。
みつまたの細い部分を撓めて動きをつけてありサンゴのようです。
スモークグラスの葉が海藻のように見えます。
深い海のような印象です。

            ◆やや右から


           ◆右やや裏から

 たけの輪の内側、着色の赤が効いています。

            ◆右真横から


             ◆いぐさ(葦)[イグサ科]/枯れもの

畳の材料ですから、日本人にはなじみの深い植物です。

花材としては、今回のように乾燥させたものや、
さらにそれを着色して使用することが多いです。

             ◆スモークグラス[イネ科]/枯れもの

穂の部分は乾燥しても生のときと同じに煙のような印象を残しています。
葉は乾燥することでおもしろい動きをもっています。


◆みつまた(三椏)[ジンチョウゲ科]/漂白花材

必ず三つに枝分かれすることから「みつまた」の名前がついています。
太い部分も、先端の細い部分も三つに枝分かれしています。

樹皮をはいで漂白、乾燥させてあります。

           ◆たけ(竹)[イネ科]/着色花材

細く裂いて中の部分を除いて薄くしたものです。
作品に使用しているのはオレンジの横の色、マゼンダを塗ったものです。

           ◆花器(陶器)


幅約46cm、高さ約11cm、奥行約9cmです。




花ものでいける(4-1)

きれいな花を咲かせる草花だけを2種類以上使って、
作品を構成します。

花ものは色に長けています。

花ものの茎は木の枝のように矯める(曲げる)ことはできませんが、
茎もそれぞれの表情をもっています。
それぞれに、色はもちろん形状や質感が異なります。

そんな花ものを組み合わせて、手を加えて、
新たな”おもしろい”が生まれます。

さて、Sさんの作品です。

花材は、「けいとう」「スターチス」「りんどう」です。

鮮やかなピンクの「けいとう」を取り巻くように紫の「スターチス」を配し、
足元にブルーの「りんどう」低く入れています。
積極的に色を中心に置いた作品です。
花の色がきれいに見えるように、花器は黒を選んだようです。


           
           ◆正面から



           ◆左から



        ◆右から



             ◆けいとう(鶏頭)[ヒユ科]


花びらは、ビロードのような質感と光沢があります。
鮮やかな発色で存在感があります。
色は今回のようなピンクの他、深紅、オレンジ、黄色、グリーンなど、豊富です。


             ◆スターチス[イソマツ科]

スターチスの仲間の中では、花の大きなタイプです。
花がまとまって付いているので、色が鮮やかに感じます。
茎の枝分かれの表情もおもしろいです。


             ◆りんどう(竜胆)[リンドウ科]


深みのある青紫の花です。
白やピンクの花のあります。

日本の秋の山野草を代表する植物のひとつです。
野生のりんどうはほっそりとして楚々とした風情があります。
切り花として出回っているものは園芸品種で茎も太く、花や葉も大きく、
楚々とした風情とは雰囲気が異なります。


           ◆花器(陶器)


直径約42cm、高さ約5cm。
黒く大きな器ですが、やわらかくあたたかな印象をもちます。