『描きいけ』は花材と花器を決めたら、
いける前に頭の中でどんな作品にしたいか考え、絵を描きます。
その後にいけるのですが、実際にいける段階で気づく事がたくさんあります。
植物はそれぞれに主張するところがあり、
なかなか頭で考えていた通りにならないところもあります。
また、いけていく中でこの方がおもしろいと感じる発見もあります。
考えていた通りにならないのはなぜか、この方がおもしろく見えるのはなぜか、
この部分を考えてみる事が大切です。
今日の花材は「くり」「レナンセラ」「おみなえし」です。
・・・枝振り、色
そして花器をえらびます。
花材に花器を加えて考えます。
どんな作品にしようか・・・。
頭の中に浮かんだ作品をデッサンに描きます。
さて、Sさんの作品です。
◆デッサン
◆正面から
いかがでしょうか。
左に出ている一番長い「くり」の枝の出発が、上の口から脇の穴に移動しましたが、
作品が醸し出す空気は、デッサンそのままの作品に仕上がりました。
左右に大きく開いた「くり」の枝は力強く、おおらかさを感じます。
「レナンセラ」と「おみなえし」が混ざって、
色からも形状からも、お互いを引き立てています。
作品の中心を引き締めています。
◆左から
◆右から
◆くり(栗)[ブナ科]
葉っぱの緑がまだやわらかいです。
ピンポン球をちょっと大きくしたくらいの「いが」がいくつも付いています。
秋の足音を感じる花材ですね。
私が生まれた富山県の田舎・・・茅葺き屋根に囲炉裏がありました。
家の裏が山で栗の木もありました。
もう少し季節が進んで実が実ってくると「いが」がはじけて実が落ちます。
毎朝、落ちた実を拾うのを楽しみにしていたことを思い出します。
◆レナンセラ[ラン科]
ヴァンダの近縁です。
背萼片、側花弁ともに同じ形で細長く、唇弁は小さいです。
◆おみなえし(女郎花)[オミナエシ科]
秋の七草にも数えられている、秋を代表する花のひとつです。
粟粒のような黄色い小さい花をつけます。
「あわばな」とも呼ばれるそうです。
◆花器(陶器)
オーソドックスな筒型ですが、上部に穴があります。
直径約11cm、高さ27.5cmです。
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