2012年8月23日木曜日

水を意識する(4-12)

「水」を作品を構成する要素として意識します。
・・・もっと押しすすめて、
水を主役に、水を見せる作品を目指します。

さて、Nさんの作品です。

花材は「のばら(実)」「はらん」「デルフィニウム」です。

裂いたはらんを水中まで垂らし、視線を水に導いています。
はらんの隙間から見えるデルフィニウムが涼しげです。
のばらは高さを抑えて、視線が低くなるようにしています。


        ◆正面から


        ・・・ちょっと近づいてみました。



        ◆やや右から

のばらの動きに躍動感を感じます。
正面から見るよりも立体感があります。

        ◆やや左から

ゆったりとおおらかな印象です。
のばらの動きがリズミカルです。

           ◆のばら(野茨)[バラ科]

ばらの原種のひとつで、初夏に白い花を咲かせます。
いけばなの花材としては、主に今回のような実の状態になったもの使用します。

枝分かれした先に付ける丸い実の動きに、おもしろみがあります。


             ◆はらん(葉欄)[ユリ科]


はらんは全体が濃緑色の青はらんの他、縞や斑の入るものがあります。
今回のように上部に白く斑の入っているものは、
「あさひはらん/旭葉蘭」と命名されています。
ほかには、縦縞に斑の入っているものが「しまはらん/縞葉欄」、
小さな点のように斑が入っているものに「ほしはらん/星葉欄」です。

           ◆デルフィニウム[キンポウゲ科]

デルフィニウムは、濃い青から今回の藤色など、
ブルー系で鮮やかな色彩をもつものが多数あります。
今回の藤色はやさしい印象です。

           ◆花器(陶器)

直径約42cm、高さ約5cm。
器の口ぎりぎりまで水を入れても、剣山の先端が水中に入るかどうかというくらい
高さのない花器です。
黒く大きな器ですが、やわらかくあたたかな印象をもちます。

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