2012年10月6日土曜日

つるもの(4-6)

つる性の植物をいかした構成をします。
いけばなではつる性の植物を「つるもの」といいます。
ゴツゴツとした太い部分、くるくるとバネのように巻いている部分・・・、
つるものならではの線のおもしろさを最大限に引き出して構成します。

さて、Sさんの作品です。

花材は「あけび」「ネリネ」です。

あけびのつるにはコブがあり、独特の風情です。
つるはやわらかく、細い部分は自在に撓める事ができます。

大きめの花器を選択し、ゆったりとした構成をしています。
ゴツゴツしたつるの太い部分を力強く前に出しています。

葉がわずかに数枚付いていましたが、作品に軽やかさを出してくれています。


        ◆正面から


        ◆左から


           ◆右から


右から見た角度のつるの動きもおもしろかったので、
ネリネの位置を変えて、こちらを正面としてみました。(^^)




           ◆あけび(木通)[アケビ科]




つるがやわらかく大きく実った実は重いため、枝が枝垂れます。
作品を構成するには、実の整理も重要になります。

幼い頃、曾祖父が山芋を掘りによく山に行っていました。
私は一緒に持ち帰ってくれるあけびが楽しみで、
家の外に出て曾祖父の帰宅を待っていました。
ほんのり甘くやさしい味は曾祖父の穏やかな笑顔と重なります。

今回の実もよく稔って割れ、おいしそうな実が見えています。(^^)


           ◆ネリネ[ヒガンバナ科]





花びらが反返り長く伸びた雄しべが目立ちます。
透明感のあるピンク色はとても鮮やかです。
一輪の花は小さいですが、まとまって放射状に咲く姿は華やかさがあります。


             花器(ガラス)


高さ約35cm、直径約15cm
少し薄手ですので、器に無理のかかる構成は避けます。
水はたっぷり入るので、安定感はあります。


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