2012年11月20日火曜日

実もの(4-7)

実のついている植物を「実もの」と呼びます。

秋は実ものが豊富な季節です。
山の木々も実をつけます。

食用となるような大きな実だけではなく、小さな実も稔っています。
うめもどき、むらさきしきぶ・・・。

実ものならでは魅力が引き立つように構成しましょう。

さて、Nさんの作品です。

花材は「うめもどき」「さんきらい」「やりげいとう」「てんもんどう」です。


うめもどきの上に向う広がりが伸びやかです。
てんもんどうとさんきらいのつるの部分が作り出している輪が、
作品にユーモラスな雰囲気をだしています。
下に向っているさんきらいもよく整理されています
           
 ◆正面から



うめもどき(梅擬)[モチノキ科]


光沢のある赤い実がとても美しい植物です。
庭木としても愛でられています。
「うめもどき」の名は、葉が梅の葉に似ているのでついたそうです。
葉がついている状態で出回ることが少ないため、
葉を見ることはできないかも・・。
ちなみに、梅は[バラ科]です。

枝は折れやすいので注意します。

           
◆さんきらい(山帰来)[ユリ科]


いけばなでは「さんきらい」と読んでいますが、
正式には「さるとりいばら」(猿採茨)で、日本に自生する植物です。
この季節に赤く色づいてきますから、クリスマスの装飾によく似合います。

6月頃は、緑の実が結婚式の装飾を彩っているのを目にします。


◆やりげいとう(槍鶏頭)[ヒユ科]


花序が細かく枝分かれし、鳥の羽のようにも見えます。
花をまとめて使用することで、作品に華やかさを添えてくれるようです。

◆てんもんどう(天門冬)[ユリ科]


「てんもんどう」の呼び名は中国名だそうです。
和名は「くさすぎかずら」、日本に自生している植物です。
葉のようすが杉の葉に似ていることから、その名がついたようです。
 ・・・確かに似ています。



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