『葉ものでいける』は、
葉ものだけを2種類以上使用して作品を構成します。
花は豊富な色をもっていますが、
葉ものの色は、限られた範囲になります。
でも、だからこそ、微妙な緑の濃淡や質感の違いに心が動きます。
花ものに比べると、多少の力技には耐えてくれます。
丸めたり、折ったり、裂いたりして、形を変貌させることもできます。
さて、Nさんの作品です。
◆正面から
空気を包み込むようにゆったりと構成されています。
花材は「やつで」「オクラレルカ」「アレカやし」です。
「やつで」は、面の位置と向きに注意を払って、構成しています。
「オクラレルカ」は、曲線を描くように矯めた後、
何枚かは先端が上に向うように2段階で矯めています。
ゆったりと右後方に流れています。
「アレカやし」は、2本の茎の花器からの立ち上がりがきれいです。
重なる部分の葉を切り取って、葉が重なり合わないようにしています。
立ち上がった葉は左側をかなり切り取ったことにより、
軽やかに立ち上がった表情がよく出ています。
Nさんのこだわりです。
切り取ることに意味をもたせたいと思ったそうです。
正面の丸い穴から挿し口が見えます。
オクラレルカを短く切って、外のオクラレルカと同じ方向に挿すことで、さりげなく隠しています。
◆やつで(八手)[ウコギ科]
天狗の団扇ですね〜。
手のひらのような形と光沢のある濃い緑が特徴です。
長い柄は弾力があります。
◆オクラレルカ/チョウダイアイリス(長大アイリス)[アヤメ科]
葉の一枚いちまいは鋭い剣のような形です。
明るくやわらかな緑から、清潔感やみずみずしさを感じます。
◆アレカやし(アレカ椰子)[ヤシ科]
細い葉が左右均等に広がり、全体として丸みをもった大きな葉になっています。
細い葉の隙間から後方が透けて見えるのも魅力です。
上に小さな穴が3つ、下に大きな穴が3つあります。
剣山を入れて使用します。
直径は約20cmです。
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